そして・・・
名残惜しく車窓を眺めていた頃、携帯が鳴った。
帰国日を連絡してあった楽団の副団長からのメールだった。
「昨日、成田空港で事故がありましたが、大丈夫ですか?」と。
全く状況がつかめず、焦って聞き返す。
「事故ってどんな?」
「・・・炎上して、滑走路閉鎖・・・」
想像もできなかった。
「情報ありがとうございます。空港に到着したら、すぐに確認してみます」
暇つぶしの本も、音楽も聴けないまま、パリまで祈るような気持ちと、飛ばなかった場合どうすれば?と不安でいっぱいだった。
17:30
シャルルドゴール空港到着。
TGV駅から空港までは直結していて、表示どおりに進み、スムーズに辿り着けた。
真っ先に、発着のボードを確認しに行く。
A L´HEURE 定刻
よかった、飛ぶんだ。あぁ、よかった。
私が乗る便は、エールフランスの最終便で23:25発。
空港で6時間待ちなので、空港内のカフェで友達に葉書を書いていた。
30分は経っただろうか。
日本語が耳に入ってくる。
「私たちはいつ帰れるのか」「保険はおりるのか」
どうやら飛行機が飛ばなくて、途方に暮れているようだった。
えええっ?
書き終えた葉書を慌ててポストに投函し、再び発着ボードを確認しに行く。
A L´HEURE 定刻の表示。
あたりを見回すと、ぐったりしているように見える日本人が何人もいた。
いったい何が起きているのだろう?
エールフランスのカウンターには誰もいないし、何の表示も出ていない。
しばらくボートを見上げていたら、知らないおばさんに話しかけられる。
「あなたも帰れなかったの?」
「いえ、私は最終便なのですが、欠航があったんですか?」
「そうよ。欠航になったからホテルをとったわ。成田行きは明日も明後日も満席らしいわ。最終便も飛ばないわよ。帰れないわよ。」
と煽られる。
「でも、飛ぶって表示出てますけど」
「そんなのとりあえず適当に表示してるのよ。早くホテルとりなさい。 泊まるところなくなるわよ」
話しかけてきたおばさんは、延々と同じ内容を私に話してきた。
でも私は、飛ばないことが確定していないこの状況で、動き出すことが出来なかった。
というよりは、どうしてよいのかわからなかった。
とりあえず、おばさんには、
「ありがとうございます。まだ時間があるので、もう少し情報収集します」
と言って立ち去る。
日本は夜中の2時過ぎ。
旅行会社に電話することもできない。
携帯で、成田空港の発着を検索。
私の乗る便は欠航とは出ていない。
そんな時、ツアーガイドMさんの電話番号を紙に控えていたことを思い出した。
ツアー中、万が一迷子になったらお電話ください。と念のため教えていただいていた番号。
ツアーは終了したし、ダメモトで電話した。
Mさん「アロー」
私「先日のツアーでお世話になりました○○です。今、ドゴール空港にいるのですが・・・」と状況を説明。
Mさん「欠航?!そんなの聞いてないわよ。ちょっと待って、今調べるから・・。欠航だなんて出てないわよ。心配だから私が聞くわ。空港の人だれか捕まえて、、、私が話すから」
と心強いお言葉。
やっとつかまえたエールフランスの係りの人に、
「エクスキュゼモア~すぃるぶぷれ~」と言って、携帯電話を渡す。
話しが終わったMさんより
「今のところ飛ぶ予定だそうよ。よかったわね。ただ、滑走路の関係で、大型の飛行機は未だ着陸できないから、少し小型の機種に変更になったみたい。もしかしたら、乗れない人が出るかもしれないから、いち早くチェックインして。じゃ、気をつけてね。」
と、ツアー終了しても面倒をみてくださり、思ったとおり頼れる姉さんだった。
今のところ飛ぶとはいっても絶対ではない。
外は暗くなり、売店のパンも売り切れていき、片付けに入っている。
最終便が飛ばなかったら、朝まで空港にいるの?
とりあえず、飲み物と食べ物を確保しておいた方がよいのかな?
不安で、不安で、チェックインカウンターの様子が見える場所の椅子に座って、どんどん時間が過ぎていった。
そして、約2時間経過・・・。
20:30
チェックインカウンターに係りの人が準備し始め、乗客が動き始める。
たぶん、3番には並んでた。
普通にチェックインできて、出国審査へ。
スタンプ押されなかったけど、気持ちがそれどころじゃなく前へ進んだ。
セキュリティチェックを終え、ここまで来たら、あとは待つだけ。
真っ先に、ツアーでお世話になった姉妹を探した。
マルセイユからもう到着している筈。
いたーーー!!
お姉さんが椅子で寝てらしたけど、会えてほっとして、嬉しくて、声をかけてしまった。
今日の出来事、ここに辿り着くまでのことを一気に話す。
しばらくして、妹さんも戻って来られた。
アヴィニヨンでお別れしてからのお互いの行った場所、どこどこがよかったよ。とか、話は盛り上がって、搭乗の時刻となった。
しかも、お二人はマルセイユ、私はパリでチェックインしたのにもかかわらず、偶然にも3人並んだ席だった。わーい!
機内で旅の話の続きをするつもりでいたのに、私はホッとしたのか、日本に着くまでほとんど寝てしまった。
最後にアドレスを交換して、成田空港でお別れ。
ひとりでミニバスツアーに参加するのは寂しいかな?って思っていたけれど、お二人に仲良くしていただいて、ひとり旅の南仏も楽しい旅となりました。
本当にお世話になりました。
あれから、半年経ちましたが、お元気かしら?
連絡してみよっと。
Fin













































































































































































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